リーダーズVOICE! マーケティング現場レポート最前線

Action

加藤 正三さん

所属企業
スカイマーク株式会社
所属部署
総務人事本部
役職
執行役員 総務人事本部長
出身校
獨協大学


加藤さんのとある一日

05:45 起床
06:30 コーヒーを飲みながら新聞チェック・NHKニュースを見る
07:30 出勤(電車)
08:30 出社、メールチェック
09:30 朝会出席
毎朝、本社部門の部門長が集まり、一日の行動予定、担当している業務の進捗状況について報告する。
10:00 部内会議出席
改定を予定している各種社内規程類についての打ち合わせ。原案が纏まったところで取締役会資料として作成する。
11:00 人事案件の審議
社内各部門より申請された人事申請書の審査業務全般。
12:00 昼食
13:00 一般事務業務
人事案件以外の各種申請の審査業務、社内連絡文書の作成業務、社内会議への出席、社長との打合せ等々。
 〜18時30分頃まで
18:45 退社
19:30 スポーツクラブ (メタボ対策)
始めて半年、体重変わらず(泣)。今月は仕事の関係でほとんど通えず(大泣)、来月はきっと体重が増えると思う。(号泣)
22:30 帰宅
23:00 夕食
00:30 就寝

「日本の空に新しい風を」というスローガンの基、平成8年(1996年)に創設された新規航空会社の草分け的存在。 それまで寡占状態にあった国内航空市場に健全な競争環境を現出するべく既存の大手航空会社のどこの系列にも属さない独立した企業である。

利用者の便益を第一に考え事業展開をしてきたスカイマーク社は、わずか10年もの間に高い支持を受け、急成長を遂げている。

今回は、会社創設時から今日まで会社とともに成長をされてきたとお話をする加藤様にお話を伺って参りました。

スカイマーク株式会社

http://www.skymark.co.jp/

大学生時代の加藤様について教えてください。

「よく働き」「よく学び」「よく遊ぶ」という順序でしたね。

幼少の頃から比較的自立心が旺盛だったせいもあって学生時代はよく働きましたね。 そうは言っても学費だけは親のすねをかじっていたのですが。(笑)それ以外の生活費を稼ぐために本当に色々なアルバイトを経験しました。

ちょっと変わった仕事では、東京都清掃局でゴミ収集や、し尿処理の作業員、東京証券取引所の計算センターでは深夜に行うデータ入力作業など様々でした。

昼は学校、授業が終わると朝まで働いてそのまま学校、そしてまた仕事なんてことも多々ありましたね。当時経験したことは今でも貴重な財産になっていると思います。


では、卒業後からこれまでの経緯について教えていただけますか?

大学卒業後は国際航空貨物の物流業界へ就職をしました。 その後、外資系航空会社に転職し11年間勤務、縁あって10年前にスカイマークに入社しました。

スカイマークが創設されてから半年後の入社だったので、社員も僅か12人、当時のオフィスは新宿の雑居ビルの一角で、入社当初、社長自らがトイレ掃除をしている姿を見た時は衝撃的でしたよ。(笑)

入社してからは空港における運送業務全般の企画を担当し、空港内事務所、チェックインカウンター、貨物上屋等の施設確保、運送約款や各種マニュアル類の作成等々、多忙を極めていました。

当時は土日の休みもなく、なかなか家にも帰れないので、「My枕」持参で仕事をしていました。「人生の中でこんなに働くことがあるのか?」というような状態でしたね。



スカイマークに入社しようと思ったのはなぜですか?

ある日突然、スカイマークの社長と常務が事務所にやってきて、「これから採用面接をします」って、嘘のような本当の話なんです。(笑)

実はそれまでスカイマークのことはよく知らなかったんです。会社設立の趣旨を聞いても、そうだよなあっていう程度でした。 でもその日からスカイマークという会社に興味が湧いてきて、日が経つごとに惹かれていったんです。 確かに不思議に感じたことは、国際線においては同一路線で多くの航空会社が参入をし、企業間競争がなされているにも関わらず、日本国内ではまったくと言っていいほどそれがなかったんですね。 後になって分かることですが、運賃以外の競争しかしないというのが当時の暗黙の了解事項だったようですね。

東京から九州へ飛行機で往復する運賃と、成田からアジアなど近場の海外を往復する運賃が同等、もしくは海外の方が安くなるというのは、一般の利用者からすれば、摩訶不思議な現象だったでしょうね。

「スカイマークは、偏った競争原理しか存在しない国内航空市場に、健全な競争原理を根付かせ、利用者が納得できる運賃やサービスを提供していくんです」なんて社長と常務が熱く語っていたことを思い出し、凄いことを考えるんだなあなんて最初は他人事でしたが、その熱っぽさが後になってじわじわ(笑)、何だかすごく新鮮で、夢があって、面白そうで、それで転職を決めたんです。



そこからスタートし、ここまでの成長をなされてきたわけですね。

そうなんです。知名度もゼロからのスタートで、当時はスカイラーク?なんてファミレスとよく間違えられました。 また社員みんなで団地を回り、時刻表や運賃広告のポスティング、街中でのティッシュ配布など自分が何の会社に勤めているのか分からなくなっていましたね。(笑)

入社から1年3ヶ月後の平成10年(1998年)9月、スカイマークは、たった1機の飛行機で羽田=福岡間を一日3往復する運航を開始しました。 この時の感動はあることはあるのですが、それよりも一番機が初めて羽田に到着した時の感動の方が大きかったですね。 初フライトの時は、あまりの忙しさに精も根も尽き果て、「ようやく・・・」というのが正直な気持ちだったと思います。

初フライトから9年、就航する空港は北は北海道から南は沖縄まで全国5空港、一日の運航便数は28往復56便、保有する航空機は11機を数えるまでに成長を遂げてきました。 お客様へのサービスに対しても試行錯誤を繰り返しながら、「初心忘るべからず」の精神をもって、できる限りお客様の要望に沿うよう努力してきました。 そういった部分においてもお客様からの信頼を得ることができたのではないかと思っています。


[1998年はたった1機でスタート。現在保有する航空機は11機になった。]


他社と比べて御社ならではの強みとは?

社員の誰もがスカイマークの「存在意義」を正しく理解していることだと思います。 当社の企業理念の一つに「安全性・定時性を遵守し、適正な航空運賃を市場に提供する」というのがあります。 前段は当たり前のことなので他社も同じですが、後段がスカイマークが特にこだわるところです。

安全性の維持や定時性の確保には莫大な費用がかかります。 その費用は運賃水準を押し上げたり、サービス品質を低下させたり、時に経営そのものを脅かすことさえあります。 この二律背反的な企業理念をスカイマークなりに解決することこそが当社の「存在意義」であり、明確な目標でもあるのです。

安全で快適であることは言うに及ばず、サービスもよく運賃が安い、その実現と維持のために社員が部署間の垣根を越え、一丸となって日々取り組んでいるところではないでしょうか。



加藤様自身では今後についてどうお考えでいらっしゃいますか?

私が本社の総務人事部に配属になってからもうすぐ4年になります。 それまでは羽田空港の現場で、運送業務全般の管理監督や客室乗員部の組織運営などの現業部門に携わってきました。

現在は株主様への対応や取締役会等の重要な会議の諸準備、また社員の福利厚生に関する業務から職場環境を改善するためのルールづくり、人事考課、採用業務、給与計算など多岐にわたっています。

現場とはまた違ったやりがいは感じてはいますが、いつかはまた現場に復帰してみたいですね。現場の仕事はまさにチームプレー、それぞれの部署がそれぞれの業務を確実にこなし次の部署へ引き渡していく。その連鎖により始めて一人のお客様を安全に快適に目的地まで運送することができるんです。どこか一つの部署がミスをしたり低品質な仕事をすると、たちまち商品価値は色褪せてしまいます。現場ではいつも業務に対する適度な緊張感があるのが魅力ですね。



[767機のデザイン。かっこいいです。]


御社で働くことの魅力を教えてください。

当社では業種による垣根というものがありません。業種別の採用はするものの、途中で職種変更や異動希望を出すことが可能です。

例えば本社で営業を担当していた者が空港の旅客取扱者へ、経理を担当していた者がCAへ、CAだった者がパイロットへと職種変更した実例があります。 特にCAは人気職種ということもあって希望が殺到します。現在は1年以上空港旅客取扱業務を経験した者から起用しています。

この業界は専門分野の集団でもあるので他社では考えられないようなシステムですが、当社では社員のモチベーションアップ、チャレンジングスピリットを育成するためにも敢えて導入しています。

また航空会社の業務として多種多様な仕事を経験させることは、会社にとっても大きな財産になると考えています。実際、社員たちからも好評ですよ。



御社の求める学生像とは?

最近の学生は研究熱心で、当社のことや航空業界のこと、あるいは時事問題などの質問には感心させられるような返答ができる方が多いですね。

でもその反面、自己主張となると苦手なのか、気概のある学生が少ないように感じます。当社では、簡明直截にものが言え行動できる方が好まれます。

社会では、ものを言うということは責任が伴うということです。 自分の言動には責任があるんだという当たり前の認識は、会社で教えるものではなく、大人であれば備わっていなければならないものです。

主張と行動、それに見合う責任の認識度、このあたりのバランスが絶妙である方はとても魅力的ですね。



学生へのメッセージをお願い致します。

皆さんは困難な問題に直面した時、どうしたらこの厄介な問題が解決できるか、真っ先に答えを探し出す方が多いと思いますが、その前にこの問題にそもそも答えなんてあるのかと考える方は意外に少ないのではないでしょうか。

答えがないのが答え、答えは今ある、今はないけど将来状況が変わればある等、問題の本質を見極めようとする思考回路を自分の中に組み入れてしまうと、今まで悩んでいたことが些細なことに思えるようになることがあります。

皆さんへのメッセージとしては、今まで以上にじっくりと自分自身と向き合ってみてくださいということです。自分を客観的に見つめることができる人は、物事の本質を見極めることができる素養のある方です。

社会人になっても本質を見極めることがいかに大事であることかを知り且つ実践出来れば、これから先、解決できない問題はそう多くはないはずです。 秋の夜長、たまにはじっくりと自分に付き合ってみましょう。

インタビュー後記

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東京大学1年 教養学部 長江 政孝

今回初めてのインタビューでしたが、とても話しやすい方だったので楽しくインタビューできました。

加藤様は学生時代、数え切れないほどのアルバイトをして経験をたくさん積まれたとおっしゃいました。それだけ人生経験豊富な方のお話はすごく重みがありました。

スカイマーク社は利用客のことを第一に考えて料金を下げつつもサービスを充実させるというすごく難しい課題に積極的に取り組んできたと聞き、企業努力は並大抵のものではないと思いました。

航空会社は総合産業ではあるものの、スカイマーク社は社内での異動の垣根を低くすることで異動を活性化し、社員に多様な経験を積ませるという方式を採用しているという話がすごく魅力的に思いました。

お会いすることがなかったら、聞くことができないようなお話も伺えたのでとても良い経験になりました。ありがとうございました!