リーダーズVOICE! マーケティング現場レポート最前線

Action

福山 幸一さん

所属企業
日本電子株式会社
所属部署
経営戦略室
役職
執行役員 経営戦略室長
出身校
早稲田大学 商学部


福山さんのとある一日

05:00 起床
07:00 出社
メールチェック、当日の業務確認
08:00 【出迎え】必ず1回は会長・社長とショートMTG
秘書室とのMTG
09:00 経営会議
11:00 経営執行会議
12:00 役員昼食会
13:00 監査役とのMTG
14:00 【来客】
機関投資家向けIR。最近は弊社に興味を示してくれる投資家が増加。積極的に対応!
15:00 財務部門とのMTG
16:00 【勉強会】
新しい経営手法、法改正などについて外部講師を招いて勉強会。ついていくのは大変!
18:00 【会食】
連日連夜の会食。頭脳よりも体力勝負。重要な情報交換・収集の場です。
22:00 帰宅
00:00 就寝

日本電子株式会社は電子顕微鏡をはじめ理科学・計測機器のトップメーカーとして、50年以上の歴史を築き上げてきました。また、日本企業の中において、いち早くグローバル化し、多くの実績と成果を世界的規模で残しています。 そんなグローバル企業の日本電子株式会社の福山執行役員(経営戦略室長兼業務管理室長)にお話しをお伺いしました。

日本電子株式会社

http://www.jeol.co.jp/

日本電子株式会社のお仕事についてお聞かせください。

“日本電子”という名前は、一般の方にはあまり知られてないですが、研究者などの中ではかなり名の知れた企業です。ノーベル賞(科学技術の分野)を取るような研究には弊社の製品は不可欠となっています。

日本電子の設立は、昭和21年、「戦後日本が復興していくためには科学技術が不可欠だ」と言うことで、戦時中海軍技術研究所に所属していた研究員5名で研究所を設立したのが始まりです。日本が第二次世界大戦で敗北した(科学面での)理由の一つに、「材質の悪さ」がありました。 戦後、科学で西洋諸国に追いつくには、材質の研究は必須であり、その為に「西洋諸国より優れた電子顕微鏡の開発をしよう」と考え、作った研究所でした。

ドイツ語の文献を参考に電子顕微鏡の開発を始め、昭和24年、第一号の電子顕微鏡を製品化しました。

現在の日本電子は、大きく分けて5つの事業を展開しています。

1つ目は、創業から行っています電子顕微鏡の分野です。世界で使われている電子顕微鏡の約50%が当社の製品です。

2つ目の事業は、電子顕微鏡の開発から発展したものですが、電子線(電子ビーム)を使った半導体製造装置の分野です。半導体の“マスク”と言われる部分を製造する装置ですが、この装置を作れる会社は当社を含めて、現在世界に2社しかないんですよ。

3つ目は、同じく電子線を使った事業で、薄膜を作る装置の開発、販売です。メガネの表面や、プラズマテレビの画面、デジカメのレンズ等をコーティングするものなんです。

4つ目は、分析機器の事業があります。これは、簡単に言うと“有機物や無機物”など分子構造の解析を行う機器のことです。製品によっては、日本でOnly Oneの物もあるんです。

最後はメディカル事業です。健康診断で使う、血液検査機器の開発販売をしています。


様々な分野でご活躍されているんですね。福山さんにとって、日本電子の魅力についてお聞かせください。

日本の科学技術戦略における重点推進4分野のすべてに絡んでいることです。ナノテクノロジー、材料の分野では電子顕微鏡、ライフサイエンスの分野では電子顕微鏡・メディカル、環境の分野では分析機器、情報の分野では半導体というふうに、今後伸びるであろう現在の日本の要素技術に全て携わっています。

個人的な事でいうと、普通では、お話しすることがなかなか出来ないような、大学の教授や、ノーベル賞の候補者であったり、また皇室の方など著名な方にお会できることですね。これには理由があって、当社には50年以上の歴史があり、先にあげた方々はみなさん若い頃から当社の製品のユーザーだったんですよ。

あと、当社はグローバル化が進んでいる事も魅力ですね。最近の展開ではなく、創立当初から海外進出は行っていました。今では、現地法人では社長はすべて現地人であり、経営幹部をはじめ、社員もほとんどは現地の人間で構成されています。

私も過去にアメリカに出向しており、ボストンやメキシコ、カナダで仕事をしていました。


[超高分解能電子顕微鏡。電子レンズの収差補正技術の導入により、像分解能、分析能力を大幅に向上させました。]


アメリカでのエピソードがあればお聞かせいただけますか?

最初に感じたのが、アメリカの懐の深さでしたね。それと豊かさ。自分の感覚として「何でこんな国と戦争したんだろう」と思いましたね。

中でもやはり、“言葉”については良い経験が出来ました。

最初はおっかなびっくり“英語を聞いてから日本語で理解”していましたが、2年ぐらいたったころから、自然と英語が直接入ってくるようになり“英語を聞いたらそのまま英語で理解”できるようになりました。

語学は出来るに越したことはないとは思いますが、あくまで手段です。良い人間関係を築き、どんな状況でも自己主張をしっかりする事が大切なんだと思いました。



福山さんの大学時代、入社の経緯についてお聞かせください。

大学時代は和敬塾(各地方の学生が学校を問わず400人くらい集まる男子寮)に入っていて、そこで実施される様々なイベントを毎日一生懸命やっていました(笑)

先輩には、有名な作家さんや政治家などの著名人が多くおりました。ただ、序列はものすごく厳しかったですが、楽しかったですよ。

様々な人と接していたからでしょうか、もっと広い世界を見たいとの思いから海外展開している企業に就職しようと考えていました。和敬塾の先輩に相談したら、当時すでにグローバル展開した日本電子を教えてもらい、入社しました。

また、財務部が海外に行きやすいとも聞いて、もちろん財務部に希望を出しました。念願叶って財務部に所属後、ボストンで5年間駐在しました。その後、経営戦略から労務、人事から秘書室へと部署転換を経て、現在に至ります。



[インタビュアーの大橋と2ショットを頂きました]


学生へのメッセージをお願いします。

学生の4年間は大切ですよ。無駄の効用、こんなに自由な時間、充実した時間は一生のうちでこの時しかないです。だから、貴重だと実感して欲しい。そして、4年間大切に一生懸命すごしてください。

就職で言えば、ネームバリューだけでの企業選びはダメ。名前より、そこで自分が何をやりたいかを考えて就職して欲しい。

これは、自分の心条ですが“腐るな”“あせるな”“おごるな”この3つを就職したら、頭の隅においておいてください。

嫌な上司がいても腐るな!あせってはダメ、やりたいことをやるには年数が必要!絶対に慢心の気持ちにならない!大勢の人間がいる会社環境、一人では決して何も出来ない、人心を大切にしてください。

インタビュー後記

写真

聖心女子大学3年 文学部 大橋恵利子

取材に行ったのはまさに工場の中!!インタビューだけでなく、少し工場内も見学させていただきました。電子顕微鏡第一号機が展示してあり、また現在までの製品の歴史、御社の顕微鏡を愛用していたノーベル賞受賞者の名前などをみることができ、大満足でした。

またインタビューの中で、風土や教育に力を入れているとおっしゃっていたのですが、横にいらっしゃった秘書の方を見て、なるほど〜と実感しました。何となくですが、工場内の雰囲気も学校のような感じがしました。

そして、腐るな!あせるな!おごるな!という言葉がとても印象的でした。 ありがとうございました。