リーダーズVOICE! マーケティング現場レポート最前線

Action

小澤 和典さん

所属企業
エナックス株式会社
役職
代表取締役
出身大学
東京大学物理工学科、ペンシルバニア大学金属工学修士、東北大学工学博士学位授与


小澤さんのとある一日

07:00 7:36東京駅発
盛岡移動
10:00 10:02盛岡着
岩手大学 K教授訪問
11:00 米沢研究員同行
13:00 13:09盛岡発
13:30 米沢移動
15:00 15:25米沢着
16:00 米沢研究所入所
17:00 TV会議
ドイツ企業と技術打合せ
20:00 米沢最終にて東京移動

エナックスは、リチウムイオン電池事業で世界的な権威である小沢和典(博士)が中心となって設立した会社です。 今も1エンジニアとして開発の最前線に立ちながら、物づくりの重要性を社会に訴えております。 また独自特許を使用した電池の開発・販売を通じて、新しいモバイルエネルギーとしてのリチウムイオン二次電池の利用を提案しております。

エナックス株式会社

http://www.enax.jp/

小沢さんの学生時代を教えてください。

当時は1、2年は駒場に3、4年は本郷にキャンパスがありました。1、2年生は寮に入って、クラブ活動を行うのが当たり前の時代でした。

私は、フィールドホッケーのクラブに入ってがんばっていましたね 。人気はなかったけど、体力だけはつきましたよ。 運動量はサッカーの1.5倍と言われていましたから。だから、よく授業は寝ていましたね。
でも、授業を聴いてないわりには成績は良かったですよ(笑)
そんなクラブが生活の基本になっていました。

3、4年生は本郷校舎に移って田無の寮に入りました。
4年になって卒論が始まってからはまじめに授業に出て、そして自分は卒論を2つ書いたんです。
書きたくて書いただけなのに、周りからは『脅威だ!』等と言われていました。
ほんとに面白くてやっただけですけどね。

そして就職。最初は大学院に行こうと思っていたのですが、やめて、就職しました。 ちょうど、東大紛争が起こる一年前でした。すでに、当時からその雰囲気はありましたから。

そして、大手電気メーカーに就職しました。就職後、企業の留学枠に入ってアメリカのペンシルベニア大学に1年間行い、修士論文を書いて帰ってきました。

大学の感想は今の学生よりずいぶん自由だったきがしますね。好きな事ばかりできましたから。


エナックスの事業内容を教えてください。

リチウムイオン電池の開発と製造販売を行っています。

病院や、倉庫などで長時間バッテリーのみで使用するPCなどに使われている電池です。
一般の消費者が手にする商品でも、このリチウムイオン電池は使われています。
草刈機スターターバッテリーや電動自転車など、軽さと長時間使用に耐える蓄電量が必要なものに使われています。



軽くて、蓄電量が多いと言うことは、自動車のハイブリッド電池としても使えそうですね。

そのとおりです。

現状でも、10tトラックのハイブリッドの搭載電池として実用化されています。

また、弊社はこのリチウムイオン電池のみで走る事ができるコミューターカーを開発、販売もしています。

今後は、需要が高まると考えられる分野「一般の乗用車のハイブリッド搭載電池」としての展開に力を入れて行きたいと考えています。



[クルマの鉛電池の代替に開発したもので、一般的な鉛バッテリの14以下の重量を実現]


なるほど、すばらしい電池なんですね。そんなリチウムイオンを開発するきっかけは何だったのですか?

弊社の近くに育英高等専門学校(現:サレジアン高等専門学校)があって、そこの生徒が知り合いを通して、自分の所に相談にやってきたんです。

オーストラリアのソーラーカーレースに出て勝ちたいと。
そのレースは、三菱やホンダ、海外などの自動車メーカーや大学が相手でした。

そこで、ひょっとしたら勝てるかもしれないとの思いで、メーカーで働いていた頃の経験と知識でリチウムイオン電池の提案を行い、電池の使い方からなにから全て教えました。

そして、彼ら3位になりました。順位は1位ホンダ、2位三菱、3位が育英高等専門学校でした。

その後、様々な企業からアプローチがあり、会社としてリチウムイオン電池の開発を始めたのがきっかけです。


創業からリチウムイオン電池の開発をされていたわけではないのですね。

はい、このエナックスは、自分がメーカーを早期退職してすぐに創業しました。
起業にあたっては「何かしないと食べていけない」ただそれだけでした。

メーカーでやっていた事はやらない、メーカー時代の部下は引き抜かないをポリシーとし、自分1人・電話機1台から始めました。

あえてコネみたいな事は使いませんでしたから、最初は秋葉原の会社から、ちいさな仕事の請け負いなどをしていました。
時には、趣味と実益を兼ねてインターネットプロバイダーなどの仕事もしていました。 インターネット電話の開発を行ったりもしましたね。若干、通話にタイムラグはありましたが、音質は良かったですよ。

研究所を作り、開発し売る、そのお金でまた新しく開発して売る・・・・の繰り返しを行って会社を大きくして行きました。
そんな折、先程お話しましたリチウムイオンの話しがあったんです。



[100台限定ながらリチウムイオン電池を載せた量産車 一人乗りの原付四輪車]


学生へのメッセージをお願いします

一般的ではありますが、前向きである・ポジティブ・へこたれないそんな人間になってください。
そして、知識を知恵に変えられる人間になって欲しいですね。

個人が持っているものは知識。
それをコミュニケーションさせて人と共有できるそれが知恵。
いろんな人の知識をインテグレートできる人間になって欲しいですね。


インタビュー後記

写真

東京大学 工学部3年 保手濱彰人

「電池の開発」と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

リモコン?単三電池?CDプレーヤー?いや、エナックスが開発しているのは、技術レベル最先端の「リチウムイオン電池」なのでした。

リチウムイオン電池は、容量の大きさとサイズの小ささに圧倒的な強みがあり、そのためノートPC用のポータブル電池や、電動自転車などに使われていたりします。 そしてエナックスが次に覇権を取ろうとしているのが、市場規模が莫大である「自動車業界」です。

そう、環境保全のために自動車業界は大きな変革を迫られています。 ハイブリッド車などを中心にエコカーブームが起こり、様々な新しい技術が必要とされ始めているのです。
そこでエナックスの出番です。このリチウムイオン電池を持って、自動車業界に大旋風を巻き起こしてくれることでしょう。

なんとエナックスは、NASAとの合同プロジェクトである新種の電池開発事業も控えているらしいです!

こんな面白い企業をどんどん学生のみんなに知って欲しいと思うし、こんな面白い企業がどんどん日本から出てくればいいなと思いました。
小沢さん、取材に応じていただき本当にありがとうございました!!