辻 誠さん
| 所属企業 |
| 株式会社チャンスイット |
| 役職 |
| 取締役ファウンダー |
| 出身大学 |
| 豊橋技術科学大学 |
辻さんのとある一日
| 10:00 |
グループ会社全体経営会議(毎週水曜日) |
懸賞サイトのビジネスモデルとは?
どこで収益を得ているのかなかなかイメージがつきにくいかもしれませんね。
収益もメインとなっているのは、広告モデルですね。
まず、ユーザーにとって無料かつ、魅力的なコンテンツを作成してトラフィックを獲得します。そこで、広告を載せてユーザーの流れをそちらにもっていけるようにするんです。
また、クライアントと提携をしてユーザーがアクションを起こすとポイントがもらえるポイントサービスもあります。
「Chance It!」のセールスポイントは?
懸賞というと、ただで物をもらいに来ているだけなんではないか?とお考えになるかもしれませんが、私どもの抱えている会員様はアクション率の高いアクティブユーザーが多く、「Chance It!」を通して他サイトで毎月総額1億円以上の買い物をしているという確かな実績もあります。
また、私どもは日本インターネットポイント協議会に加入をしています。不正を防ぐシステムを導入し、クライアントの信頼も得られています。
業界では情報量、会員数業界No1とも言われ、会員様、サイトシステムともにクオリティ、利用価値も高く、好評なんですよ。
学生時代はどのように過ごされていたのですか?
もともと、ものを作るのは好きで中学生の頃からパソコンにも興味がありました。それで16歳の時に電波高専に入ることにしたんです。
周りは卒業後に就職する者がほとんどでしたが、私は大学、大学院へと進学し、10年間ずっと情報工学を学んでいました。
その間は学費、生活費を稼ぐためにソフトハウスでアルバイトをしながら知識だけでなく、実践的技術も身につけることができました。
そして、大学院在学中に、アルバイト時代に知り合った友人3名で1度目の起業をしたんです。
そのお話をもう少し詳しくお話していただけますか?
はい。その会社では自分のノウハウを生かして企業からの開発受託、自社パッケージソフトの開発を行っていました。
起業直後に大きな仕事が入ってきたものの、その後バブル崩壊があり仕事もなく売り上げは下がる一方でした。
金銭的にも非常に苦しくて、給料が3ヶ月でないこともありました。
ただ、プログラミングという自分の好きな分野で、開発、営業、サポート全てに携わることができたので本当に楽しかったですね。自分のアイディアを自身でかたちにするというのも夢でしたから。
でも、実際それだけでは経営が成り立たず失敗という結果に終わってしまいました。
その後はどうなさったのでしょうか?
当時、自社製品のユーザーであったシダックス株式会社の方から、情報システム部門への誘いがあったんです。
ただ、「会社を興したい」という夢は諦めておらず、そこで将来のための自身のスキルアップと資金調達という感覚で契約社員として入社をしました。
そういった中で、アメリカ(サンフランシスコ)のIT企業訪問というかたちで出張する機会もありました。
日本では、「インターネット」がようやく一部のマニア達に根付き始めていた頃だったのですが、アメリカでは既に「ADSL」が一般に浸透していたんです。
米国の文化が流れてくる日本の風土から考えて、次の企業のチャンスは「インターネット」であると確信をしましたね。
そこを切り口にビジネスとどうつなげたらいいか、色々と調べました。そして辿り着いたのが「懸賞サイト」だったんです。
それが「Chance It!」の原点になるわけですね?
そうなんですよ。
かなりタイトではありましたが、思い立ってから2週間でサイトの立ち上げをしました。
信頼のできる、新しい情報を1つ1つ自らの手で集め、いかに多く、スピーディーに更新するということを考えつつひたすら作業をしていました。
昼間はシダックスでの仕事を継続していたので、夜と休日に更新する形でしたね。その結果、アクセス数、会員数も日を追うごとに増え続けました。
当初は利益はなくとも成功する自身があったからこそ休む暇も、寝る暇もないような状態の中でも、頑張ることができていましたね。
その後、初めて広告の出稿依頼がありそれを皮切りに売り上げは順調に推移をしていきました。
そして今から8年前、更なる事業拡大を目指して企業としての組織化を図りました。それが現在の株式会社チャンスイットです。

[新鮮で豊富な懸賞情報に加え、ポイント・ショッピング情報も充実したChance It!]
ではそこから、これまで企業が成長されてきた要因とは?
株式会社チャンスイットとなってからも、社員数は最小限の人数で構成をしていました。
また広告をだすということもせず、口コミだけで会員の増大を図るというスタンスは変えませんでした。
と、いうのも私は学生企業した際の失敗でバブル崩壊の恐ろしさを知っていたので、無理な事業拡大、無駄な設備投資をせずリスクの少ない堅実経営を方針としていたからでしょうかね。
初めにクオリティの高いサイトを構築してしまえば、運営人数は少なく済み、売上が上がるほど利益率は高くなりますからね。
2000年にはITバブル崩壊によりメディア全体が苦しい時期もありました。そんな苦しい時期の最中、システム開発会社を買収したんです。
どうして敢えてまたその時期に?
一般の人に「インターネット」が普及し、IT業界もある一定のラインで飽和状態にもなっていました。
私はここでこの状態から抜け出すのは「新サービスの展開」しかないと思ったんです。
だから敢えてその時期に企業買収という行動にでたんですよ。
その新しいサイト立ち上げが功を奏して、売り上げは回復の経路を辿っていきました。
厳しい状況のときこそ、新しいものにチャレンジしていくべきなのだと気付きましたね。
「ピンチをチャンスに変える」それがまさしく当てはまる1つの事例ともいいますね。
自分たちの目標としていたビジョンが揺らぐことなく明確であったということも大きく関係しているかもしれませんね。

[2005年4月に移転した新オフィスの様子]
今後の展開はどのようお考えですか?
今後もやはり「新サービスの展開、事業」への取り組みはしていきたいですね。
ネット業界の競争はますます激しいものにもなってきており、そういった姿勢を持っている企業でないと勝ち残っていく術を見出せないと思いますよ。
私がこれまでに培ってきた知識や苦い経験もしてきたからこそ「今」があるとも感じています。
これからもユーザーの皆さんに喜んでいただけるようなサイトとして、情報を提供していけたらと思います。
株式会社チャンスイットは株式交換により、チャンスラボ株式会社、株式会社アドバックスとグループ会社となりました。
そういった体制にしたのもこれからの「新事業の展開」を考えているからです。
請負型のビジネスモデルではなく、新しいサービス、新しいメディアとしてユーザーやクライアントの幅広いニーズにお答えできるようにこちら側から積極的に提案をしていきたいですね。
学生へのメッセージをお願い致します。
経験のない多くの知識より、学生に何か1つをやり遂げた経験の方が生かすことできると思います。
その点、私は学生時代に本当に貴重な体験ができたと感じています。
勉強も大切ですが、アルバイトやサークル活動など他のことにも取り組んで色々な経験をできるような環境をつくるべきですね。社会ではコミュニケーション能力は不可欠ですしね。
特に弊社のような若い企業では、即戦力としてのフローを求められることが多いかもしれませんね。弊社の社員を見ていて思うことは、やる気があり、楽しいと感じながら仕事に取り組んでいる社員は生き生きともしていますし、結果も後から自然についてきているような気がします。
だから就職活動は、自分が生き生きといれるような居場所を探すという感覚で行ってみたらいいんのかもしれませんね。
インタビュー後記
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東京大学 工学部3年 保手濱彰人
学生時代からソフトウェア会社を創業され、たくさんの経験を積まれてきた辻さん。
現在は「チャンスイット」という懸賞サイト業界でNo1のウェブサービスを運営し、その他の各種媒体も発展させ続けています。
インターネット黎明期からネットビジネスを手掛け、ITバブル崩壊も見事に乗り越えられた辻さんのお話は、当時をリアルタイムで体感することが無かった私たちにとって非常に参考になるお話となりました。
特に2000年のITバブル崩壊時は、絶好調だった会社の売上が5分の1に落ち込み、体質不良の多くの企業はあっという間に淘汰されてしまっていたようです。
そんな中で見事に会社を継続・復活させ、現在も大きく成長させ続けられているのは、ひとえに辻さんの堅実・誠実な姿勢に他なりません。
「大胆さと繊細さ」という、経営者に最も必要な二つの対極な要素を持ち合わせている辻さんは、おそらく今後も大きく会社を発展させてくれるに違いありません。
ここには書けない今後の戦略もたくさんお聞きすることができ、本当に魅力的な時間を過ごすことができました。辻さん本当にありがとうございました。
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もともとサイドビジネスとして立ち上げ、たった1人からのスタートを切った懸賞サイト「Chance It!」。現在のように成功を収める結果となった裏側には、辻様の夢を追い続けるマインドとはかり知れぬ努力とが合い重なって見えていた。良く耳にしている、「経験を生かす」という本来の意味はまさに、こういうことなんであろうと圧巻してしまうほどであった。今回は非常に人間味も溢れる「Chance It!」の創設者である辻様へのインタビューを行ってきました。
株式会社チャンスイット
http://info.chance.com/