リーダーズVOICE! マーケティング現場レポート最前線

Action

金子 義輝さん

所属企業
株式会社ブラスト
所属部署
総務
役職
常務取締役
出身大学
立教大学(法学部)


金子さんのとある一日

07:00 起床 
朝食
08:00 通勤
出社
09:00 メールチェック
社長報告、部署内報告聴取
10:00 役員会議
12:00 役員とのランチ
13:00 来客
15:00 来客
16:00 事務処理
19:00 退社
20:00 帰宅
21:00 夕食
22:00 風呂
体操
23:00 就寝

 1950年に建設資材の販売を目的に設立。
その後、生コンクリート工場、住設建材、石油製品、鋼材、鉄筋工事、と業容を拡大して、現在では商事部門、製造部門、専門工事部門を有する特徴のある会社として成長。

最近では社会問題になっているコンクリート劣化に対応する、無機質系コンクリート劣化吸水防止剤「マクサム」の販売を開始し、また損害保険、生命保険、投資信託の販売を行い、新しい金融ビジネスを展開する「三和リスク・コンサルティングサービス株式会社」を設立し、新規分野にも積極的に進出。

今回は、幅広い分野で事業を展開している商社『株式会社ブラスト』総務部金子様にインタビューをしてまいりました。

株式会社ブラスト

http://www.blast1950.co.jp/

学生時代からこれまでについて教えてください。

叔父が建材業を営んでいまして、父親もそこで働いていました。

私が大学生の時、ある大型物件を請け負ったんです。 その仕事により会社の利益が大きく出て父親のボーナスが増えたらしく、車を買ってもらったんですよ! それが非常に嬉しくてね〜。

建材業ってこんなに儲かる仕事なんだって思いました。


身近であった建材業に対してより一層魅力が増したんですね。

車を買ってもらったことがきっかけで、迷わず建材業への就職を希望しました。

叔父の紹介で今の会社に就職したんですが、当時では新卒で建材業に就職する学生はいなかったので、会社からはとても喜ばれましてね。金の卵扱いでしたよ。

でも、それが自分にとっては良くなかったようです。



入社してすぐに総務職に就いたんですか?

いいえ。まず経理に配属され、その後業務課という営業事務の仕事に就きました。

12年〜13年位やったかなぁ。 1年目から部下が3人ついたんですけどね、さっき言ったように自分は金の卵扱いをされてきてさらにまだ若かったから、人使いが下手だったんですよ。

自分は集中型だから、他の人間が遅かったりするとイライラしたり、すぐ怒ってしまったりしてね。結局自分のそんなやり方が原因で、全部で18人も辞めてしまってね・・・。 その事は今でも忘れられないですよ。


その後、何か変わるきっかけというのがあったんですか?

38歳の時、横浜支店へ課長として移動になりました。東京にいた時とは環境が変わって、今度は部下に仕事をしてもらう立場です。

やっぱり、仕事をやってもらうのに怒ってばかりいたら誰もやってくれないですよね。会社に9時間ずっと居るわけですから、イライラしてても皆も自分も疲れちゃうじゃないですか。 そうすると仕事もうまくいかなくなるという悪循環がおこる。ですから、コミュニケーションをとることや、時にはおだてることも重要なんですよ。 そうすることによって信頼関係が結ばれていきます。

横浜支店でそのことに気づいてから、かなり人間が丸くなりましたね。それから10年前、東京へ総務部長として戻ってきました。



今では当時の金子さんはまったく想像できませんが、横浜支店での経験があって柔らかい感じになられたんですね。では、37年もの間勤続している理由はなんですか?

アットホームな雰囲気が好きで今日まで働いてきました。給与面などは度外視でしたね。

自分がそういう環境で育ってきたから今もアットホームを心がけていますが、社員数が増えたため今はなかなか難しい状況です。



ブラストの成長過程についてお伺いできますか?

創業者の先代社長が主に経営担当でした。先代は業界でもその手の有力者だったんですよ。

昭和25年に砂利砂の商売を始めたんですが、昭和30年代になると大阪セメントが東京へ進出し、関東圏に4つの工場を新設しました そこで当社もセメント事業へ参入したんですが、大阪セメントへ保証金を積まなければいけなくてね。そこで先代が目を付けたのが、原材料である砂利砂です。

大阪セメントとしては生コンを売ってくれる会社がほしかったから、そこへ当社が立候補し、かわりに当社からだけ砂利と砂(業界用語で骨材という)を買ってもらう契約を取り付けた。

当時では画期的な考えで、大阪セメントの4工場の骨材納入権を独占し急成長しましたね。



その後の事業展開はどのようなものだったんでしょうか?

それから石油販売を始めました。最初は丸善石油の代理店だったかなぁ。当社が骨材を扱っていたから、生コン販売や砂利砂販売のミキサー車やダンプカーに目を付けたんですよ。

砂利砂や生コンを仕入れるということは、ダンプカーやミキサー車が必要ですよね。それには膨大な軽油と経費がかかります。そこに軽油を売ったんです。生コンを仕入れるから、砂利砂仕入れるから、軽油を買ってくださいと。

相手も元々取引先からだから、「たくさん仕入れてくれる」と思うんですね。そうするとお互い売るからには仕入れなければいけないという負担ができてきます。 メリットは債権の心配がなくなるということ。例えば、砂利砂を50万買い、軽油を10万売った。支払いは40万です。そして10万の債権は仕入れと相殺する。 余計な支払いをする必要がなく、お互いリスクが少ないわけです。

当時の時代背景として、長期間債権を抱えるということはリスクが大きかったので、手間はかかりますが相殺方式に切り替えたんです。それによって当社はバブル崩壊後、下請企業との不良債権は抱えませんでした。それから業界全体および同業他社など債権の保全を考える会社に広がりましたね。



昨年社名変更されましたが、何か理由があるんですか?

異業種からの人材確保という目的です。そこで「ブラスト」に変更しました。

→保険事業というと今までとはイメージが違うような気がしますが

結局はそれも当社の下請け会社との関係からきているんですよ。いきなり異業種へ参入して新規企業を開拓するのは大変です。 長い付き合いや歴史の中での信頼関係があってこそ成り立ちます。そこの関係性をうまく使えば、手っ取り早く事業を拡販することができます。 企業と企業の間を繋ぎ、さらにギブアンドテイクの関係ということですね。



[東京都千代田区にある本社。2006年4月に株式会社 ブラストに社名変更した。]


新入社員へ求めることはなんですか?

やはり自分が体育会系なので、挨拶や言葉遣いがしっかりしていることですね。

当社ではあえて体育会系の人を抱えている人材紹介会社に依頼しています。 社会の規律をよく知っていますから。能力なんか関係ありませんよ、必要最低限ができればそれでいいんです。

何をするにも中途半端はよくないですね。ひとつのことに熱中しないと。熱中できない人は、優先順位を決められないから、ミスやタイムロスが増えるんですよ。 優先順位を自分で決めて集中して早く済ませることが大切です。

→僕はどちらかというといろんなことに興味があって中途半端になりがちなタイプなんですけど、言われてみると確かにそうですね。

それから面接の際に言うのですが、最初の3年間は規定(夏2ヶ月、冬2ヶ月)の賞与は出ませんが、仕事の強要もしません。 何故かというと仕事を強要してうまくいかずしょげてしまったり、ストレスを感じて辞めたくなってしまったりするからです。無理はしなくていいんです。 焦らず、先輩のサポートをしながら仕事を覚えればいいんです。



3年という期間の意味はあるんですか?

3年ないと当社の仕事内容はまっとうできません。それに信頼関係あってこその業界ですから、そのくらいの期間は必要です。

3年経ってようやく顔を覚えてもらい、受注が取れ、そこで初めて仕事にやりがいが出てきます。



学生へのメッセージをお願いいたします。

先程も言いましたが、挨拶と言葉遣いが大切です。社会人になると同世代だけでなく、目上の人と関わる事が増えますからTPOによりうまく言葉を使い分けられることが必要となります。

それに役立つことがスポーツです。スポーツの世界では必然的に縦社会で、自然とそれが身につきます。 押忍(オス)の精神が大切です!押忍という言葉は、けじめをつけるための一声ですからね。

私が38年間同じ会社で働いてきて学んだことは三つです。

『継続は力なり』『温故知新』『石の上にも三年』

インタビュー後記

写真

東京大学 工学部3年 保手濱彰人

建設資材の販売に始まり、それから約50年で生コンから損害・生命保険などの販売までに多角化しているという、とても興味深い会社「株式会社ブラスト」へ取材に行ってきました!

新規事業を始める際でも、今までのお客さまとの繋がりが重要だという話には大変納得させられました。やはり、株式会社ブラストと他の会社で長い間培われてきた信頼関係がいきているそうです。

新入社員には顧客獲得までの地味で辛い仕事はさせないというお話を聞き(建設資材の販売に行き名前を覚えてもらうだけでも相当な時間がかかるようです)、人材を大事にしているんだな、と感じました。

そして、金子様の本社から支店に行ったときの意識の変化の話は大変面白かったです。 (新しい環境で部下に教えてもらわなければいけない状況になり、人間が丸くなったそうです(笑))

大変面白く、ためになる話をお聞かせいただきました。どうもありがとうございました。